血液は体の隅々まで巡って、細胞に酸素と栄養を運びます。また、体に発生した不要な老廃物を排出しています。血液の流れが悪くなると、不要な老廃物や水分が体に滞り、むくみを発症させたり、肩こりを引き起こしたり、冷えなどのトラブルを起すこともあるのです。本記事では、血行不良が引き起こす症状や、自分でできる血流改善のマッサージなどを詳しく紹介します。

体重の1/13は血液

人間の体には体重の約13分の1の血液が流れています。血液は食べ物や飲み物から摂取した栄養分や酸素を、体の末端の細胞まで運びます。また、体の各部分に発生した老廃物や二酸化炭素を腎臓や肝臓などの処理器官に運ぶ働きがあるのです。それほど血流は大切なのです。

血行不良を招く生活習慣

体の隅々まで栄養を運ぶ血流が、スムーズに流れなくなるような生活習慣があります。なかでも血行不良を招く大きな要因が、運動不足です。運動すると心拍数が上がるように、人体は筋肉を動かすことで血液を毛細血管の隅々まで循環させます。運動不足で体を動かすことが減ると、血液の巡りが滞り、血流が悪くなるのです。

ほかには、過剰なストレスや食生活の乱れも血流悪化の要因です。ストレスは自律神経を乱し、血液の循環を調整する機能も乱れます。また食生活の乱れは、肉食が増えることが多く、緑黄野菜や魚、豆類などの摂取が減ります。その結果、筋肉の働きを助け、血流改善効果の高い栄養素が不足し、血流を悪化させるのです。血流が悪化することで、体にさまざまな不調が出てきます。次章で血流悪化から発症する主な症状を紹介します。

血流悪化で発症する症状

血流が悪化し、体に発生した不要な老廃物を排出することが困難になると、不要な老廃物や水分が体に滞り、さまざまな不調を引き起こします。そんななかで、発症例が多い不調の症状を紹介します。

肩こりや腰痛

血流が悪くなると、筋肉中の老廃物が排出されずに体内に滞留し、蓄積していきます。その結果、肩こりや腰痛、関節痛などを引き起こしやすくなるのです。とくに、肩こりは血流不良が大きく影響しているといわれています。

体の冷え

血液は全身を流れることで、人間の体温調節の役割も果たしています。そのため、血流が悪化すると、体の隅々まで血液が届きにくくなり、手足など末端の冷えの原因になるのです。さらに冷えが発症することで、頭痛やめまいまで起こることもあります。

むくみ

むくみは血流の低下で引き起こされます。酸素や栄養は血液によって体の隅々にまで届けられ、届け終わった血液は、各細胞から二酸化炭素や老廃物を受け取って心臓に戻ってくるのです。そんな流れのなかで、筋肉が活発に動くと血流を促進し、心臓に血液がスムーズに戻されますが、筋肉の動きが悪くなると血流が悪くなり、末端で血流が停滞し、むくみになります。

眼精疲労

目の周辺の血流が悪くなると、目の疲れやかすみ目が発症し、眼精疲労の原因になります。長時間のパソコン作業や、スマホの細かい文字を見続けると目に周辺の血液が停滞しやすくなり、眼精疲労を引き起すのです。

お肌トラブル

肌のトラブルは血流不良から起こることがあります。血液は酸素や栄養を体の各部に運ぶのです。血流が悪化し血液が肌まで行き渡らないと、新陳代謝が悪くなり顏のくすみや吹き出物が発症しやすくなります。

ふくらはぎの血流改善マッサージは効果大

自分でできる簡単な血流改善方法の一つが、ふくらはぎのマッサージです。ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれるほど、マッサージすると血流改善に効果が期待できます。

下半身から上半身へと血液を押し上げるポンプ機能があるふくらはぎが十分に機能すると、悪化した血流が大幅に改善されます。

ふくらはぎのマッサージ1

最初に足の裏を両手の親指でまんべんなく押し、さすります。次に握った拳で、足の指のつけ根からかかとまでさすりましょう。さらに、足首からひざの裏までもさすり、その後に揉みます。次は、片ひざを立てて座り、ふくらはぎに手のひらをしっかりと密着させ、足首からひざ裏の膝窩（しっか）リンパ節まで、両手で交互にさすりあげます。ふくらはぎの血流アップ効果は期待大です。

ふくらはぎマッサージ2

ひざを少し開くように座り、両手の手のひらで足首から、タオルをしぼるように手を交互に動かして、ふくらはぎの内側を膝まで揉みほぐしていきます。このマッサージも血流アップの効果が大です。

まとめ